JAぎふは、管内にある松翠学園岐阜女子高校と地域活性化に向けた連携協定を結び、地場産農畜産物の消費拡大に取り組んでいる。調理実習にJA直売所の食材を提供し、生徒が考案した料理を直売所で販売。地元食材の魅力を発信しながら、料理人やパティシエを目指す生徒の夢の実現を後押ししている。
アイデア商品化で話題
JAと同校は2022年、「農」と「食」を通じた持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに連携協定を締結。地場産農畜産物を販売するJAと、「食」のプロを養成する同校食物科が手を組むことで、生徒のアイデアを生かし、地場産農畜産物を使い商品化する。商品を両者の交流サイト(SNS)で発信し、消費拡大や食への理解、地域農業の活性化といった相乗効果につなげる。
JA直売所「おんさい広場はぐり」が毎月、旬の食材リストを食物科に送る。食物科は、リストを基に実習で使う食材の希望をJAに返信。直売所は毎週月・木曜日にその食材を配送する。
22年10月には連携企画第1弾として、旬の野菜をふんだんに使った栄養満点の10品が詰まった「ハロウィン弁当」30食を直売所で販売。開始5分で完売する人気だった。その後も定期的に、同様の弁当を直売所で販売。生徒が店頭に立って直接販売することで、やる気が上がり、地元食材への愛情や発想力が養われているという。
第2弾の企画では、「奥美濃古地鶏けいちゃんライスバーガー」を5月20、21の両日限定で各50個販売した。食物科3年の古田望乃さんが考案し、「第23回鶏卵・鶏肉料理コンクール」(岐阜県畜産協会・岐阜女子大主催)料理部門でグランプリに輝いたレシピを基にした商品。両日とも完売し、高い支持を得た。このライスバーガーは、10日に岐阜市で開かれるJA合併15周年記念「食と農の祭典」でも販売される。
JAでは、地元で活躍する料理人やパティシエが誕生することを願い、JA施設「山県ばすけっと」内の飲食店「山県ごはん」で、生徒が考案した定食やスイーツを「地消地産メニュー」として販売する計画だ。
JA総合戦略室の内山裕司次長は「生徒のやる気と地場産農畜産物の消費をさらに高めていきたい」と連携に期待を込める。