
これまでに27人が研修を修了しており、このうちの20人が県内産冬春トマトの8割を占める最大産地の海津市で就農し、JA海津トマト部会の一員として活躍する。同部会のトマトは「美濃のかいづっ子」のブランド名で出荷。適度な酸味と甘味、深い味わいが特長だ。
2年前に就農した同センター8期生の東野竜童さんは、海津市のハウス31アールで3品種を栽培する。東京の飲食店で働いていたが、好きな作物を作る農家になりたいという思いで就農を希望した。研修を経てからは同部会に入って定期的に勉強会や交流会に参加し、生産者同士で技術・情報を共有している。
JAは、新規就農者に経営面での不安を解消するため、農業経営の知識や収穫率や出荷率のデータを生産者に提供。農業者としての生活や仕事ができるよう、常に生産者の声に耳を傾けサポートしている。
東野さんは「JAには出荷や業務管理のことを教えてもらい、部会などの生産者とのつながりへと導いてくれた。今後は就農希望者の手本となるように収量や高品質にこだわっていきたい」と意気込んだ。
JA海津集出荷センターの牧野洪輔センター長は「生産者との対話を大切にして、抱える不安や疑問を取り除き安心してトマトの栽培・経営をできるよう支援していきたい」と話した。
JAでは今後も、地域の産地維持に向けた担い手確保のため、品目別の現地検討会や勉強会の開催などを予定している。
地域とJAが一体となって新規就農者を受け入れ、地域に定着してもらい、収量・所得増大を目指していく。