1次農産品の輸出額は、農産物全体の輸出額から加工食品を除いて算出した。22年上半期は前年同期比6%増だったため、伸び率は3ポイント拡大したことになる。
品目別ではリンゴが前年比41%増の63億円と大きく伸びた。数量ベースでも5割近く増加。前年同期が少なかった反動や、米国産の不作による代替需要に加え、「贈答用だけでなく、家庭での消費もアジア圏で定着してきている」(青果物の輸出業者)という。
輸出額の大きい牛肉も、アジア向けがけん引し、同22%増の262億円と好調だった。ただ、高価格帯の部位の需要が旺盛な米国向けは、低関税輸入枠が早期に消化される事態が続いており、業者からは対応を求める声が出ている。
ナガイモ(同33%増)や米(同30%増)も伸びた。
少額貨物を含む農林水産物・食品全体の輸出額は同10%増の7144億円。同省は「外食向けが回復し、小売店や電子商取引(EC)向けの販売も引き続き堅調で多くの品目が伸び、総額も伸びた」(輸出企画課)とみる。
輸出への影響が懸念される東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を巡る各国の対応については、「詳細は調査していく。その他の規制についても、引き続き撤廃や緩和を求めていく」(同)とした。