全国屈指の大葉産地である愛知県豊川市のJAひまわりつまもの部会は、アザミウマ類の防除に赤色発光ダイオード(LED)ライトを導入し、化学農薬の使用量を削減している。赤色光が当たった葉は認識できないというアザミウマ類の習性を生かし、葉にLEDライトを照らすことで食害を減らす。
同部会の副部会長を務める白井良直さん(45)は、長辺約45メートルの温室に、農業用の市販品LEDライト「アグリインセクト」を3個つるす。通年で、日の出1時間前から日の入り1時間後まで点灯。化学農薬の散布回数、量ともに導入前と比べて2、3割減ったという。
大葉はアザミウマ類に吸われると白く変色し、商品価値が下がり出荷できない。一方、大葉に使える化学農薬は種類が少なく、部会では、天敵などを使った総合的病害虫・雑草管理(IPM)で対策していた。しかし、被害防止の決め手に欠け、コスト面でも課題があった。
新たな防除法として着目したのが農業用の赤色LED。2021年から試験を始めた。現在は18戸が所属する同部会の半数程度が活用する。
需要期の8月はアザミウマ類も多発するが、JAの指導員である佐藤光さん(32)は「赤色LEDによって食害が減ったことで夏の出荷量の確保に結び付いている」と話す。
JAは、指定した防除資材の購入を2割助成する独自の制度に赤色LEDを追加して導入を後押しする。管内では、イチゴやアスパラガス、スプレイ菊でも赤色LEDを導入している。△動画はこちら