22年農業所得7・3%減 資材高騰響き3・1兆円 総産出額は1・8%増
生産農業所得は、農業総産出額から肥料費など物的経費を除いて、経常補助金を加えたもの。22年は産出額は増えたものの、肥料や飼料、光熱動力などの生産資材価格の高騰が本格化したことが影響した。農業総産出額に占める割合は34・5%と、ここ10年では14年に次ぐ低さとなった。
農業総産出額は、18年以来の9兆円台となった。野菜や米、畜産物の価格が上昇し、全体を押し上げた。
品目別では、野菜が同3・9%増の2兆2298億円。天候不順で生産量が減少し、価格が上昇した。米は同1・8%増の1兆3946億円。民間在庫量が減り、主食用米の取引価格が回復した。
畜産物では、豚は同5・6%増の6713億円で高騰する輸入品の代替、節約志向の高まりで需要が伸び価格が上がった。鶏卵は、飼料高騰や鳥インフルエンザの影響で生産量が減って価格が上昇し、同3・1%増の5638億円。輸入品の代替需要が高まったブロイラーは、同5・3%増の3940億円だった。
他に、芋類はバレイショの生産量が回復して価格が下がり、同6・7%減の2199億円となった。花きは新型コロナ禍からイベント需要が回復し、同5・7%増の3493億円。茶は同4・8%減の471億円、果実は同0・8%増の9232億円、肉用牛は同0・3%増の8257億円、生乳は同0・7%増の7916億円だった。