境町の取り組みは熊本地震当時、注目を集め、全国の自治体が代理業務を担った。その中に石川県輪島市もあり、同市は今回、熊本県南阿蘇村など当時代理業務を担った5市町村から代理業務の申し出を受けたという。
「村の職員は少なく、自らも被災者だったので、本当にありがたかった。寄付金は村民への災害見舞金にも充当でき、財政面でも助かった。そのお礼の気持ち」。同村の担当者は当時の苦労を振り返ながら語った。
総務省によると、代理業務に国への申請は必要なく、同省も実態を把握していない。仲介大手3社のサイトに掲載されている代理自治体と、サイトを通さずに支援する自治体を本紙が集計したところ、8日現在、4県と43都道府県にある134市町村の計138(複数代理を含めると207)自治体が、石川県と同県内15市町の代理を務めている。
仲介サイトの中で最も代理自治体数の多い「ふるさとチョイス」によると、同サイトを通じて集まった17億2445万円のうち、代理自治体を通じた寄付は13億6164万円と8割弱に当たる。「さとふる」も13億3000万円のうち12%が代理寄付だという。
一方、報道や交流サイト(SNS)で取り上げられる回数の多い自治体とそうでない自治体との間で代理数に開きがあるなどの課題もある。このため茨城県つくばみらい市は「代理自治体数が少なかった能登町と七尾市」への代理を決めた。