牛乳の価格形成 納入価格の抑制など課題 作業部会で論点整理
牛乳の会合は3回目で、生産や流通、小売りなど各段階の関係者が参加。今回はこれまで出た意見を基に、各段階での取引で生じている課題を同省が3点に整理して提示した。
課題として、コスト増加にかかわらず各段階での納入価格が低く抑えられやすいことを挙げた。牛乳は、集客のための特売品にされやすいなど、他の商品で収益を確保する前提で単品での利益を考えずに販売されることがあるとした。消費者がイメージする値段から逆算して価格を決められやすい面もあるとした。
各段階での売り手側の立場が弱いことも挙げた。乳価交渉は原則年1回で価格が安定する一方、コストが上がってから価格転嫁までに遅れが生じると指摘。牛乳は消費期限が短く廃棄や欠品のリスクが高いが、こうしたコストなどを乳業メーカー側が負担しているともした。
値上げを受け入れてもらうためには消費者の理解が欠かせないことも確認。各段階のコストを示すだけでなく、地域ブランドの活用など付加価値の向上も必要だとした。
こうした課題は、同様に品目別の作業部会を設けている豆腐・納豆とも共通している。同省は今後、これら三つの課題を論点として対応策の検討を進めていくとした。各段階での取引価格やコストの調査も予定している。