[農政の憲法]基本法改正巡り地方公聴会 担い手減少歯止めを 衆院農水委
JA北海道中央会の樽井功会長は、生産コスト高騰で離農が相次ぐ酪農を例に、「戸数が減少すると地域コミュニティー存続にも支障を来たす」と指摘。多様な農業人材の育成・確保のための実効性ある対策を求めた。
牧場の作業記録の管理システムの提供などを行うファームノートホールディングス(北海道帯広市)の小林晋也代表も、食料安全保障の強化へ「まずは人(の確保)から考える」ことが必要とした。技術が複雑・高度化する中、ノウハウの継承も課題だとし、農業者の所得を増やし、「農業を魅力ある業界にしていく」ことが欠かせないとした。
農地の確保を重視する意見も目立った。樽井会長は、今後見直す食料・農業・農村基本計画で、作物ごとの生産目標と農地利用の方向性を「一体的に生産現場に明示することが必要」とした。
熊本県阿蘇市で米70ヘクタールや麦・大豆などを作る内田農場の内田智也代表は、農地を借りる契約を結ぶ際、地権者の多くが市内におらず負担が大きいと訴えた。「農地バンクは賃料や条件の交渉はしてくれない。耕作者が生産活動に専念できるよう、業者に交渉を委託できる支援があればうれしい」と述べた。