自治体の4割、学校給食無償化 地域格差が課題に 文科省調査
調査は、政府の「こども未来戦略方針」に基づき、国による給食無償化の課題を整理する狙い。同省が2年ごとに行う給食実施状況調査に追加、都道府県・市区町村の1794教育委員会・事務組合に1年かけて尋ねた。
昨年9月時点で無償化を「実施中」の自治体は722あり、「実施予定」が40、「過去に実施していた」は13。実施中のうち全ての児童生徒を対象にする完全無償化が全体の30%に当たる547で、残る175は多子世帯や小学生のみ対象の一部無償化だった。
無償化の目的は「子育て支援」が90%を占め、物価高に伴う負担軽減策に腐心する実態を示した。その他、「少子化対策」9%、「定住・転入の促進」5%、「食育の推進」3%などと続いた。
財源では「自己財源」が最多の66%で、「地方創生臨時交付金」利用32%、「都道府県からの補助」7%などとなる中、「ふるさと納税」で無償化の寄付を募った自治体が10%に当たる74あった。
成果は、児童生徒が「家庭環境に関係ない食育の充実」、保護者は「安心して子育てできる環境の享受」、教職員は「給食費の徴収負担の解消」が最も多かった。課題は「予算の確保」が18%と最多で、「食育意識の低下」も4%あった。
同省は同日、学校給食実施状況調査結果も公表。牛乳、主食、副食の完全給食は公立小99・5%、公立中97・1%と過去最高に。給食費は小学校3933~5314円、中学校4493~6282円と、都道府県間で1・4倍近い格差があった。(給食取材班)