遊休農地活用や食育も 有機給食の成果を共有 全国協議会が長野県松川町で
全国の会員と地元一般参加も含め74人が参加。「とどけ隊」の久保田純治郎さんの水田と、牛久保二三男さんのサトイモ、ニンジンの畑を見学した。牛久保さんらはマルチでの除草や緑肥の活用を紹介。全2ヘクタールでの野菜栽培のうち、半数以上は遊休農地を借り受け、有機栽培に取り組んでいることを説明した。
同町の北沢秀公町長は「健康な食への関心の高まりを有機農業の拡大につなげたい」と期待を込めた。町産業観光課の宮島公香農業振興係長は、果樹産地で野菜の有機栽培を進め、販路として学校給食に着目した経緯を報告。環境保全型農業を推進し、遊休農地解消につなげる狙いなどを説明し、「今後は、農福連携の活動も含めて地域循環の仕組みをつくりたい」と述べた。
町立松川中央小学校の木下めぐ美栄養教諭は、有機給食の導入から食育へ結び付けた活動を紹介。「給食は地域と共に作るもの。献立は生きた教材だ」と訴えた。
NPO法人日本有機農業研究会理事で、同町アドバイザーの吉田太郎さんは、有機農業は難しいと考える人に向け「まずは減農薬栽培で微生物が活性化する環境を整えることが重要だ」と指摘した。