
日本有数の米どころ、庄内平野にある同市学校給食センター。2学期最初の給食日となった8月23日朝、調理員がコンテナいっぱいに入ったさや付きだだちゃ豆を熱湯を張った大釜に投じ、市産大豆のみそを溶き入れた。
同市は今回の豪雨でエダマメ畑516ヘクタールが浸水。一部ではさやも漬かり、JA鶴岡だだちゃ豆専門部も収量が平年に比べて落ち込むなど影響を受けたが、同部はこの日の給食に主力品種「白山(しらやま)」を112キロ提供。加賀山雄部長は「この時期だけのさやや豆の濃い香りをかみしめてほしい」と話した。
くびれたさやに実が詰まっただだちゃ豆のみそ汁は、鶴岡の伝統料理。同センターの五十嵐裕佳栄養教諭によると、近年は作る家庭も少なくなったが、「生のさやからカニの味と似ただしが出る」全国でも珍しい郷土料理だ。
待ちに待った給食時。上郷小学校2年の小松紘大君(7)が「豆が柔らかくておいしい!」と声を弾ませた。