第２１５特別国会が１１日召集され、石破茂首相は第２次石破内閣を発足させた。農相には自民党総合農林政策調査会長の江藤拓氏を起用。経済対策とその財源の裏付けとなる２０２４年度補正予算案の策定を急ぐ。衆院で過半数に届かない「少数与党」としての再出発となり、農政も含め与野党の合意形成の在り方が焦点となる。

　石破氏は同日の衆参両院の本会議で首相に指名された。与党過半数割れを受けて衆院の首相指名選挙は１９９４年以来３０年ぶりに上位２人による決選投票にもつれこみ、石破氏が２２１票で立憲民主党の野田佳彦代表の１６０票を上回った。

　石破氏はこれに先立ち、政権運営への協力を取り付けようと野田氏や国民民主党の玉木雄一郎代表と会談。玉木氏は農業所得の確保に向け直接支払制度の創設を求めた。与党側の反応は「必ずしも否定的なものではなかった」とした。

　特別国会の会期は１４日まで。政府は月内に経済対策を策定し、１２月上旬にも召集する臨時国会で補正予算の成立を目指す。農業では飼料高騰に苦しむ畜産経営への支援が焦点。