検査数量は327万トンで、24年産予想収穫量の約5割まで進んだ。新潟県など主産地で猛暑と渇水に見舞われた前年は、1等比率が大幅に低下していたが、今年は過去5年平均(75・6%)並みに回復した。
地域別では、北海道、東北はいずれも約9割、北陸では約8割と平年並み。新潟県は77・9%で、前年同時期を62・2ポイント上回った。「コシヒカリ」は73・4%、「こしいぶき」は88%で、いずれも大きく回復した。秋田県も同30・4ポイント高い88・6%、山形県も同45・3ポイント高い92・7%となった。
一方、西日本を中心とする23県では前年を下回った。同省は、西日本では高温が続き白未熟粒が発生したこと、他の地域でも倒伏や雨による収穫遅れによる品質低下や斑点米カメムシ類による被害もあったとする。
高温耐性品種では、秋田「サキホコレ」が97・7%、山形「つや姫」が96・8%、新潟「新之助」98・1%、千葉「ふさおとめ」が87%などと、各県の主要品種より高くなった。「にじのきらめき」は作付け増を背景に検査数量が前年の約2倍で、最多の茨城県では一等比率73%だった。
23年産は1等比率が過去最低で、精米歩留まりが下がり流通量が減った。米卸からは「昨年ほどではないが歩留まりが悪い」との声もあり、今後の精米流通量に影響が出ないか、注視が必要だ。
(玉井理美)
