ジビエ利用量過去最大 23年度、外食好調で3割増
全国772の食肉処理施設が、食肉として1731トン(前年度比30%増)、ペットフードとして866トン(同30%増)を販売した。その他、自家消費向けの食肉と解体処理のみの請負が合わせて132トンに上る。
鳥獣種別の利用量は、鹿が2088トン(同36%増)、イノシシが602トン(同13%増)だった。一方、解体頭数は鹿が12万1117頭(同11%増)、イノシシが3万9918頭(同11%増)で、鹿肉の利用量の伸び率は解体頭数の伸び率の3倍超を記録した。
鹿肉はイノシシ肉に比べて脂質が少なく、ペットフードへの加工に向いているため、同省は「ペットフードの需要増加が影響したのではないか」(同)とみる。
野生鳥獣全体の解体頭・羽数は18万2627頭・羽(同16%増)で過去最多となった。販売価格は、鹿肉が1キロ当たり2171円、イノシシ肉が同3214円だった。
農水省は、25年度までにジビエの利用量を19年度(2008トン)の2倍に相当する4000トンに増やす目標を掲げている。23年度は19年度比で1・4倍。
(岸康佑)