福岡・鳥獣被害対策システム開始 出没情報をネットで公開 個人が投稿、すぐ表示
個人情報の登録などは不要で、誰でも無料で使える。野生鳥獣の目撃情報や農林水産物の被害情報、痕跡や写真を個人のスマホやパソコンから付けて「目撃情報投稿アプリ」から投稿。その情報を「鳥獣被害対策システム」の地図上にリアルタイムに表示する。地図のアイコンをクリックすることで、詳しい情報を確認できる。
14日から運用を始め、20日(午後6時時点)までに111件の目撃・被害情報の投稿があった。獣種別ではイノシシが最多の62件となっている。県では、住宅地などで猿の出没が続く場合に交流サイト(SNS)での注意喚起や登下校時の子どもの見守りを行うなどの活用方法を想定する。
地図上には県が集約する捕獲の統計情報も5キロメッシュ単位で掲載する。野生動物が生息する森林や河川などを分かりやすく示す地形図上に表示することが可能だ。農地の区画情報なども地図上に重ねることができる。効果的な捕獲ポイントの絞り込みや侵入防止柵の設置場所の見直しに役立ててもらう。
県内の野生鳥獣による農林水産物の被害額は2023年度で7億1000万円に上る。服部誠太郎知事は「システムが機能するには、県民に野生の動物を見張る目となってもらう必要がある。農地や住宅地などで野生鳥獣を見られた際はぜひ、投稿に協力をお願いしたい」と呼びかける。
(小林千哲)