JA全農は7日、大阪市中央卸売市場南港市場で第44回全農肉牛枝肉共励会を開いた。全国14道県から黒毛和種103頭、交雑種(F1)28頭の計131頭が出品。最優秀賞には、和牛の部で、うしの中山(鹿児島県鹿屋市)が出品した「若勝」(去勢)、交雑種の部で、緑陽肉用牛牧場(北海道士幌町)の出品牛(雌牛)が、それぞれ輝いた。
「若勝」の血統は、父が「若百合」で母の父が「第2勝王」、母の祖父が「安福久」。28カ月齢で、格付けはA5等級、脂肪交雑基準(BMS)ナンバー12、ロース芯面積が98平方センチ、枝肉重量は605・6キロだった。枝肉は同日のせりで1キロ当たり5000円の値を付けた。
飼料にこうじ菌を加えて給餌するなど、「おいしい和牛」を目指してきた同社。審査では前躯(ぜんく)、中躯、後躯のバランスの良さなどが評価された。益田泰伸市場流通部長は「いつもお世話になっている子牛の生産農家にも恩返しできて、ほっとした」と表情を緩めた。
交雑種の部で最優秀賞を受賞した緑陽肉用牛牧場の出品牛は24カ月齢で、血統は父が「北美津久」。A5等級でBMSナンバー10、ロース芯面積86平方センチ、枝肉重量は541・4キロだった。枝肉は1キロ当たり2131円で落札された。審査員からは「和牛に匹敵する肉の光沢、しまり、きめだった」と評価された。
同社の奥秋和博代表は「血統の能力を最大限に生かそうと、一頭ごとに飼養管理を徹底してきた。従業員やJA、ホクレンなどの関係者に感謝したい」と述べた。
優秀賞、優良賞の受賞者と出品牛は次の通り。かっこ内は所在地、血統。
◇和牛の部
▽優秀賞一席=岩国ファーム(山口県岩国市、父「福之姫」、母の父「安福久」)
▽同二席=うしの中山(鹿児島県鹿屋市、父「若百合」、母の父「美国桜」)
▽同三席=桑原睦雄(長野県松本市、父「百合勝安」、母の父「幸紀雄」)
▽優良賞=間島真司(香川県さぬき市、父「知恵久」、母の父「美国桜」)、前田大輔(佐賀県伊万里市、父「福之姫」、母の父「隆之国」)、竹渕洋平(長野県塩尻市、父「秀百合久」、母の父「諒太郎」)、岩国ファーム(山口県岩国市、父「福之姫」、母の父「安福久」)
◇交雑種の部
▽優秀賞一席=緑陽肉用牛牧場(北海道士幌町、父「北美津久」)
▽優良賞=ノースバレー(徳島県吉野川市、父「福之姫」)