備蓄米落札94%、14万トン 平均価格は2万1217円 月内に7万トン追加入札
入札は10~12日にJA全農など大口の集荷業者が参加して行われた。放出対象は24年産10万トンと23年産5万トンの合計15万トン。
入札の結果、24年産米の全量となる10万190トンと23年産米4万1606トンが落札された。23年産の8783トンが不落だった。流通業者からは「流通上の不足感が一定に解消される」といった声が聞かれた。
同省が発表した初回入札の落札平均価格は税別で60キロ当たり2万1217円。税込み換算すると2万3000円弱になる。集荷業者らが評価の目安にしたとみられる24年産米の相対取引価格(同2万4055円)には届かなかったが、大幅に下落することはなかった。
集荷業者から米卸などの流通業者に売り渡される場合、運賃や保管料といった経費が上乗せされる。備蓄米が実際に取引される場合、価格は24年産の相対取引価格に近い水準になるとみられる。
同省によると、今回の備蓄米放出の狙いは「流通の目詰まりの解消」(企画課)。同省は14日、集荷業者、卸、スーパーなどの団体に対し、落札された備蓄米の円滑な流通を求める通知を出した。
第2回入札は来週中にも公告する。ここで落札される備蓄米は、4月中旬から引き渡される見込み。
例年3月に開催される国が備蓄米を買い入れる入札について、江藤拓農相は14日、「環境が整うまで当面の間延期する」との方針を示した。