農産品輸出が好調維持 3月は前年比2割増 トランプ関税で先行き不透明
1次農産品が前年比6%増の416億8400万円、アルコール飲料などの加工食品が同6%増の505億2600万円で、農産物全体では同12%増の977億4700万円だった。3月はトランプ関税が発動する直前だったが、米国からの“駆け込み需要”は限定的とみられる。「3月の段階では相互関税が24%もの高水準になると想定できていなかった」(同省食肉鶏卵課)との指摘がある。
品目別に見ると、牛肉が同22%増の63億1500万円に増えた。伸び幅が大きかった国は、ベトナムが同2億4000万円増、タイが同1億9000万円増、米国や台湾がそれぞれ同1億円程度伸びた。「ベトナムやタイでは、ある日本の輸出業者が相手国での新規販路開拓に成功した」(同)という。
米は同23%増の12億9200万円、緑茶が同34%増の41億9600万円で、日本食人気の高まりを追い風に好調が続いた。
4月以降、米国向けの輸出には一律10%の相互関税が加算され、日本に対して設定された追加の14%は7月までの90日間発動が停止されている。ある食肉卸は「関税発動停止期間中にロイン系など高価格帯の部位を安売りする動きが出ている」と話す。
(鈴木雄太)