その情報とは、その牛がいつどこでどの母牛から生まれたどんな品種で、オスなのかメスなのか、誰に飼育されたのか、いつどこでと畜されたのかということです。
どうやって調べるのかというと、インターネットでだれでも簡単に調べられます。独立行政法人家畜改良センター(https://www.id.nlbc.go.jp/)の「牛の個体識別情報検索サービス」に、買ってきた牛肉のラベルにある10桁の数字を入力するだけです。
これは平成15年(2003年)6月に制定された「牛トレーサビリティ法」のおかげです。これにより、国産牛肉について、牛の出生から精肉としてお店で販売されるまでの追跡・遡及が可能となりました。しかし、この個体識別番号を表示し伝達して、記録・保存していくことは、実はかなりの手間なのです。しかも間違えたら法律で罰せられます。生産者、と畜場、加工者、流通業者、販売者が日々、国産牛肉の安全の担保と生活者の安心のために、真剣に取り組んでいるのです。
私はたまに生活者向けのセミナーをすることがあり、そのなかで分かったことですが、誰でも牛肉の生産履歴を調べることができるということを、知らない方が大変多いということです。せっかくですので、美味しい牛肉をいただくときに、私たちのためにお肉になってくれた牛さんたちが、いつどこでどうやって育ってきたのか、思いを馳せてみてはいかがですか?

