[あんぐる]ありがとう 東北より
1年間の延期を経て7月23日に開幕した東京オリンピック・パラリンピック。国が「復興五輪」と位置付けた大会は、昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大によって1都1道4県の競技会場で無観客の開催となったが、日程が進行する一方では、メダリストへ副賞として贈られる「ビクトリーブーケ」の生産が同時に進んでいる。
ブーケは今月24日に開幕するパラリンピックと合わせて、大会期間中に5000個以上用意される。産地の選定やデザインを日本花き振興協議会が提案、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の東北3県産の、それぞれリンドウ、ヒマワリ、トルコギキョウ、ナルコランを主催都市東京都産のハランで束ねた。
東京都内の製作場所では、1日に30~60人、パラリンピックの閉会までに延べ約700人のフローリストがボランティアとして製作を担当。翌日に行われる表彰式の回数と表彰台に立つ選手の数に合わせて、必要な数を前日までにそろえる。
表彰式でメダル受賞者をたたえ、彩を添えるブーケ。だが、花持ちは限界があるため、選手が思い出と一緒に記念品として持ち帰れるようにと、完成品には五輪の公式キャラクターのマスコットが付けられている。
作る以外にも、産地からの輸送、低温での保管、完成品を会場に運んだ後の管理まで、一丸となって対応するのは花き業界。協議会では「東北3県の花がメダリストに渡ることで、世界中の人たちに復興途上でも頑張っている被災地の姿を発信したい」。大会が後半へと向かう中、各国選手の活躍に期待を寄せていた。(釜江沙英、仙波理)
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