
とは
本紙企画「一村逸品」は、全国各地の農産物加工品を紹介する目的で1984年4月に「特産は語る」と題して連載が始まりました。86年7月から、タイトルを現在の「一村逸品」に変更し、週3回を基本に掲載しています。同欄での掲載希望については、管内の支所編集担当にご相談ください。
一村逸品大賞は、その年の「一村逸品」に掲載された応募商品で、前期と後期の審査会で選ばれた優秀賞の中から、年1回選んでいます。
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第20回、節目の表彰
やく氏〝セレクション〟も
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(2024年5月9日・特集)
やくみつる審査委員長は「選ぶのに本当に苦労しましたが、この中から選んでもらえば一食が完成するように選びました」と述べました。

審査委員長
やくみつる 氏から
一村逸品大賞の審査委員長をお受けして20回を迎えました。農産品といってもいろんなジャンルがあり、「まだこの手があったか!」と、いつも新機軸があります。新語・流行語大賞のように「今年の一村逸品大賞は何?」とわくわくする全国ニュースになっていくのではと思います。
入賞商品には定番としてずっと売れているものが多くあり、各地で地域の味として育ててもらっているのを見るとうれしいです。
20回記念セレクションの10品は、主食ありデザートあり。良いものが全国にあると分かるよう地域バランスも考えました。群馬県の「高崎生パスタ」と「猪豚のミートソース」は食べて気に入った組み合わせで、セットで買ってほしいです。同県が小麦産地でパスタ文化が栄えていると世に知らしめる商品です。
岩手県の「大橋がんづき」は郷土菓子。「がんづきって何?」と知らない人にこそ手に取ってもらいたいです。日本人もインバウンド(訪日外国人)も、土地ならではの食べ物が旅の最大の楽しみになっています。各地の食べ物が注目される時代は今をおいて他になく、一村逸品大賞が主眼としてきたことは先を行っていて、時代の方が追い付いたと言えます。
小規模な生産者で宣伝し切れていない商品が多く、「もったいない!」とずっと思ってきました。受賞商品を首相官邸でアピールするなど成功例が生まれています。農産物直売所で一村逸品コーナーを設けて販売する案にも期待します。
一村逸品のキャラクターもデザインしました。「農」の字をモチーフにしてポップに仕上げ、Tシャツやシールもあります。JAのロゴマークのように浸透して、地域のおいしい商品の印と認知してもらいたいです。次の20年、もっとブレークする次のステージへ向かっていく気がしています。

オリジナルキャラ
名前募集します
今回、このキャラクターの名前を募集します。男の子でも女の子でもないこのキャラクターにすてきな名前を付けてください。選ばれた方には、オリジナルのTシャツをプレゼントします。
応募は住所、氏名、電話番号、キャラクターの名前を記載し、はがきは〒110―8722 日本農業新聞普及推進部「キャラクター係」へ。メールでの応募はsuishin@agrinews.co.jp、タイトルに「キャラクター係」と記載ください。いずれも6月30日必着。決定は紙面で発表します。

初の販売イベントも
東京・秋葉原 やく氏も駆けつけ

店内では、商品の特徴をパネルや手書きの店内広告(POP)で紹介。「畑わさベーゼ」や「おてつめカフェオレあん最中」「黒糖バター」「ケッコーイケてるシュシュプリン」「黄金の雫 梨ロールケーキ」などは、来店者に商品を試食をしてもらいながら、魅力をPRしました。
2日目の11日には、やくみつる審査委員長が来店し、商品の魅力を消費者に伝えました。群馬県のJAたかさき、埼玉県のJAさいたま、群馬県上野村、岩手県・岩泉ホールディングスのスタッフらも店頭にPRに駆け付けました。
JAたかさき特販直売課の西島武課長は「大賞を受賞したことで、販促がしやすくなった」と手応えを語りました、
JAさいたま経営企画広報課の竹本彰課長は「JAとして都内でこの商品の販促を行うのは初めて。JA管内の外で特産をPRできて良い機会となった」と感想を述べました。
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(2024年5月12日・総合1面)
受賞の反響は
「売上増」7割 知名度向上に一役
受賞商品の売り上げに変化があったか尋ねたところ、「増えた」「大きく増えた」を合わせて7割超で販売が増加していました。受賞後、取引先の拡大につながったかどうかの質問では、「取引先が増えた」「取引先が大幅に増えた」との回答が6割を超えました。

受賞商品を首相に贈る
群馬・JAたかさき

一村逸品大賞を受賞した商品で、首相官邸で岸田文雄首相に贈呈されたものもあります。昨年大賞を受賞した群馬県・JAたかさきの「高崎生パスタ」がそうです。
JAの堀米登組合長らが昨年6月22日、官邸からの要望に応える形で訪問しました。パスタには海外産のデュラム小麦が用いられることが多いですが、受賞した商品は高崎市産の小麦「きぬの波」を100%使い、JAと地元の製麺所が開発しました。岸田首相は「小麦の食料自給率は上がってきている。食料自給に貢献できる商品だ」と高く評価しました。
商品に受賞を示すシールを貼って販売している事例もたくさんあります。熊本県の「はちべえドライトマト」(JAやつしろ女性部)もその一つで、部員の思いを込めた商品の魅力を発信しています。