バーチャルスーパーを設置したのは、2021年にJAの事業所が閉鎖された能津地区。村が食料品店の運営を引き継いだものの、売れ残りを避けるために入荷を減らすと品揃えが不十分となり、客足が遠のくという悪循環に陥っていた。
そこで、村は23年12月から店内に50インチの電子画面を設置。精肉や野菜、海鮮などの生鮮食品を画面上で選び、決済すると2~3日後に販売店で受け取れる仕組みを整えた。利用者はまだ少数に留まるものの、村は「今後の高齢化を見据え、集落内で食料品を受け取れる仕組みは不可欠」と見据える。
交通面では、事前予約システムを活用し運行の効率化を図る。村の日下地区では従来、予約制のデマンドバスが運行されていたが、「周遊バスも運行してほしい」との声をうけ、コストを抑えつつ運行できる方法を模索してきた。
解決策として、村は来年度からLINEを使った予約システムを導入。利用者が多い主要ルートを周遊し、アクセスの悪いバス停のみ、利用者が事前にLINEを通じて予約することで、運行ルートを最適化する仕組みだ。
日高村は、「デジタル技術を活用することで、過疎地域でも暮らしを支える拠点を守りたい」としている。