収穫したサツマイモを寒風にさらして甘さを引き出す「つらさげ芋」。鹿児島県垂水市大野原地区に伝わる特産品で、現在、同地区の農家8人が、芋のつり下げ作業に追われている。
サツマイモは「べにはるか」。収穫した芋を4、5本ごとにひもで束ね、竹ざおに約1カ月つるし熟成させる。寒暖差を利用し、芋のでんぷん質を糖質に変え甘くする。出荷が始まる12月以降は、焼き芋で糖度30以上、来年1月中旬になると糖度50もあるという。
同地区での栽培面積は約9ヘクタール。このうちつらさげ芋に使う割合は約6割。1シーズンの出荷量は全体で50トンほどだ。
2ヘクタールで栽培する前田清輝さん(67)は「ひと手間加えて、甘くおいしい芋になっていることをもっとみんなに知ってもらいたい」とブランド化に期待を寄せる。