小売り、卸、加工業者、輸入業者ら63人から回答を得た。
22年比で販売が期待できる品目(最大三つ選択)では、「草花類」「枝物類(実物含む)」が44%で同率1位。春らしいナズナや枝物のミモザ、ドウダンツツジなど、季節感のある品目に注目する。「ヒマワリ」(7%)も洋風仏花などに用途を広げており、草花の人気は前年以上に高まりそうだ。婚礼などにも利用場面を広げている「ディスバッドマム」(23%)、「スプレイ菊」(18%)も高かった。

ミモザの日浮上
販売が期待できる物日(最大三つ)では「母の日」(44%)が1位。2位は「ミモザの日」(40%)で、前年より二つ順位を上げた。「国際女性デー」でもあり、ジェンダー問題への関心とともに注目度を高めている。「お盆」(32%)、「春と秋の彼岸」(27%)と、行動制限の解除を受けて好調だった物日も高かった。

物流の効率化を
花き販売のキーワード(最大三つ選択)では、「物流の効率化」(51%)が最多だった。輸送資材の標準化や共同輸送など、効率的な輸送の確立を求める声が上がった。「コストの価格転嫁」(47%)は2位。業態に応じた付加価値の提供が急がれる。
「家庭需要の定着・拡大」(39%)、「安定供給」(35%)も高い。不安定化する輸入に対して、国産は安定した供給体制を築くことでチャンスが広がる。

規格の見直しも
生産・輸送コストが上昇する中で必要な対応(最大三つ)では、「短茎化など規格の見直し」が44%で1位だった。現場ごとに必要な長さは異なるものの、コスト削減には短茎化が不可欠との意見が多かった。「集出荷の効率化」(40%)など、物流の改善が続いた。
他方で、「生産コスト削減に向けた営農支援」(28%)や、「マーケットインの生産」(26%)など、産地に工夫を求める声もあった。
“ウィズコロナ”下での消費拡大に重要なこと(最大三つ選択)では、「家庭需要の定着・拡大向けの販促」(47%)が最も多い。「消費者が花に触れる機会を増やす」(35%)、「生花店から消費者への商品提案」(32%)、「他業界とのコラボレーション販促」(26%)も高く、新規客の獲得に向けた具体的な方策に注目が集まる。
■記者の目■
高止まりしている生産・流通コストを販売価格へ転嫁するためには、付加価値などで、消費者からの納得を得る必要がある。産地には、アピールできる栽培方法や品種特性、手入れの仕方といった情報を小売りまでつなげることが求められる。
販促では、若者文化やアートとのコラボレーションを要望する声が多い。色や形が多彩な草花類は提案がしやすく、ニーズは一層高まっていく。(鈴木雄太)