
花き業界全体でSDGsの実現に向けて活動していこうと昨年、国産花き需要拡大推進協議会(事務局・花の国日本協議会)は「ウェルブルーミングプロジェクト」を始動した。素材の見直しや資源の循環を目指す「環境アクション」と、花や植物がウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良い状態)にどのように寄与するか探り伝える「#ビタミンF」の二つを柱とする。2025年3月現在、110企業・団体が参画する。
昨年6月に「環境月間」に合わせた同プロジェクトの活動には、全国の生花店約300店と資材メーカーや卸売市場など23社が参加。業界全体で環境を意識して取り組んだのは初めてだという。消費者に近い生花店では、店頭から環境のためにできることから始めようと、使い捨てプラスチック製ラッピング資材・容器の削減、見直しなどに取り組んだ。また、大手生花チェーンでは環境に配慮して生産された花を販売した。
事務局を務める小川典子さんは「今後は生花店など仲間を増やしていきたい。1社一つの取り組みでも活動をすれば業界の雰囲気も変わる」と話す。

大手生花チェーンの日比谷花壇は昨年9月、渋谷ヒカリエShinQs店で「サステナチャレンジショップ」を展開した。花き産業総合認証(MPS)やリレーフレッシュネス認証を取得した産地、露地栽培、有機減農薬栽培の環境に配慮して生産された生花を販売。ユリやバラ、マム(洋菊)などが並んだ。ラッピングも紙製を採用するなど資材や器具、展示にもこだわった。
SDGsが国連で採択された9月25日に合わせて2週間実施。展開中の客数・売り上げともに前年比で大きく伸長したという。同社は「多くのお客さまに支持・評価いただけたと感じる。業界内からも賛同をいただいた」と話す。
今年は同ショップを消費者が環境やSDGsへの意識が高まる期間に合わせて3回展開する予定で、「生産者やメーカーなど同じ課題、目標を持つ方々と一緒に企画していきたい」と今後を見据える。
(菅原裕美)