キャベツ芯で新食材 群馬県が技術開発 風味、機能性付与する粉末に
県は嬬恋村を中心に、夏秋キャベツの出荷量が54年連続で全国1位。カット野菜工場やギョーザの製造会社が多数立地している。
一方、県が県内の加工業者2社を調査したところ、年間に1500トンの芯を廃棄し、処理費用に4500万円かかっていることが判明。芯や外葉の残さは、養豚飼料やサプリメントの原材料に活用されるが、「量が多く、産業廃棄物として有償で処理するケースも増えてきた」(県内の食品加工業者)という。
そこで、県農業技術センターが有する発酵技術を活用。機能性成分を含んだ食品に加工することで、高付加価値化を目指した。商品開発では、冷凍食品メーカーのイートアンドフーズ、健康機能性食品原料を製造・販売する東海物産、菌研究に知見のある東洋大学の4者と連携した。
ペーストにしたキャベツ芯に複数の乳酸菌を添加し、最もGABAが多く、香りや酸味に優れた乳酸菌として「ラクチプランチバチルス ブレビスTU35」を選抜。発酵期間は「5日以上」が好ましく、ギョーザの餡(あん)に混ぜる際は、発酵キャベツ芯をペーストから粉末にした方がGABA濃度も高いことが分かった。
2月に4者で開いた試食会で、通常の冷凍ギョーザと味が変わらないことを確認した。
県農業技術センターは「発酵キャベツ芯の技術は完成した。後はどう商品に展開していくか」(分析・加工係)と次を模索する。
(志水隆治)