センリョウは日陰を好むため、通常は竹すを組んだ楽屋(がくや)と呼ぶ遮光施設の中で栽培する。一方、近年は竹す資材の価格高騰や土壌病害による収量減少が課題になっている。

試験は香取市のエネファーム水郷の圃場で行い、慣行とパネル下でのセンリョウの生育や着果状況を比較し、プランターの設置方法や適切な栽植密度を検討した。同ファームは電気設備設計・施工を手がける水郷電設のグループ会社で、センリョウの他にもブルーベリーやミョウガをパネル下で栽培する。
楽屋との生育を比べた場合、パネル下ではやや徒長や着色むらが生じ、サイドの遮光ネットの展張方法に工夫が必要なことが判明。プランター栽培では、設置方法(高設、直置き)や栽植密度による生育の違いは見られなかった。一方、北側に置いたセンリョウの方が南側より生育が緩慢になり、日差しを考慮したプランターの配置場所の検討が重要であることも分かった。
神栖市の約20ヘクタールでセンリョウを育てるミゾグチファームは、試験結果を参考に、早ければ4月下旬から本栽培に乗り出す。発電した電気は、出荷まで保管する倉庫の温度調整などに充てる。同協議会の会長も務める溝口洋一代表は「センリョウの新たな栽培体系を確立し、県の特産を守りたい」と話した。