
品質向上に向け、部会全体で取り組むのが抜き打ち検査だ。10年ほど前から始め、今は週1回程度、部会の役員や能代市「ねぎ課」職員らが、出荷されたネギの抜き打ち検査を実施している。太さや軟白部分の長さ、ぬめりがしみ出ていないかなど、検査項目は多岐にわたる。2021年度のA品率は73・2%と、前年より2・2ポイント上昇した。
検査結果は随時メールで部会員に連絡し、栽培方法や調製の参考にしてもらう。また「白神ねぎレポートカード(通信簿)」を配布して作型ごとのA品率を対比できるようにし、一層の品質向上に取り組んでいる。
B品率の高い経営体や、新たにネギ栽培を始めた農家に対しては、先輩部会員がアドバイザー役となり、技術指導に当たることで全体のレベルアップにもつなげている。
部会では複数の作型を組み合わせて通年出荷する。高品質なネギを周年で安定供給できる「白神ねぎ」の市場評価は高く、生産量が拡大する中でも単価を維持し、販売額も伸ばす。15年に10億円を突破した以降も販売額を伸ばし続け、コロナ禍前の20年度の販売額は、過去最高となる約17億7500万円を記録。大塚和浩部会長は「以前は考えることもできなかった数字」と話す。
管内では園芸メガ団地の整備も進み、新たに栽培を始める農家や、面積拡大に取り組む農家も増えている。大塚部会長は「良品率向上による販売額の増加がネギ栽培の拡大へと続く好循環につながっている」と話す。(音道洋範)

白神山地と日本海からの豊かな水と大地があり、先人たちからの技術を受け継いで栽培している。
高品質なネギ生産に向けた部会員の努力だけではなく、販売に取り組むJAや、県の園芸メガ団地の整備、市が行う試験栽培など、関係者が一丸となったからこそ、ここまで販売が伸びてきた。
概要
部会員数=166個人・法人
生産規模=約188ヘクタール・約15億6000万円(21年度)
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