有機農業拡大に注目
Q みどりの食料システム戦略や基本計画って、どういうもの?
A 戦略は、環境と調和した農業を推進するため、農水省が2021年5月に定めました。50年までに①有機農業を全農地の25%に拡大②化学肥料を3割減③化学農薬を半減──を主要な目標として掲げています。

戦略を実践するため、各県が具体的な取り組みを盛り込んだものが基本計画です。今年3月末までに、全県で策定されました。
Q どのような目標が掲げられたの?
A 戦略の主要目標に従い、多くの県が有機農業の拡大や化学肥料・農薬の低減に関する目標を設定しました。例えば、有機農業で面積や経営体の数などを増やすという目標を定めた県数は38に上ります。化学肥料・農薬の低減でも、16県が目標を掲げました。同省は30年に肥料2割減、農薬1割減との目標も掲げており、これに準じた県が大半です。
一方で、より個別、具体的な目標を掲げた県も目立ちました。
Q 例えば、どんな目標があるのかな?
A 温室効果ガスのメタンを減らそうと、秋田、滋賀の両県は中干しの期間延長(長期中干し)に取り組む面積で、数値目標を定めました。滋賀は26年度に20年度比8%増の1万2000ヘクタール、秋田は25年に21年比4%増の2891ヘクタールを掲げています。
ドローンでの防除を、30年度に20年度の4倍の2010ヘクタールにする目標を掲げたのが高知県です。化学農薬のピンポイント散布などで使用低減につなげる狙いです。群馬県も化学農薬を減らそうと、天敵昆虫の利用を21年の200ヘクタールから27年に240ヘクタールに増やすとしました。
Q 各県の目標を足し合わせれば、戦略の目標と一致する?
A そうはなりません。既に策定済みの別の計画で掲げた目標を、改めて盛り込んだ県も多いです。そのため、目標達成年にもばらつきがあるなどしています。
その他の動画あり[「まいちゃん」のニュース教えて!]はこちらから→
