鹿児島経済連が堆肥活用紹介 身近な資源の活用推進 本紙みどりGXラボ・セミナー
同経済連の折口弘晃氏は、化成肥料と堆肥を混合して粒状化した「リッチシリーズ」は慣行肥料に比べ10アール当たり10~40%ほどコストを削減できると報告。販売価格を抑えるために、畜産農家に水分率40%以下で堆肥を提供するよう求め、乾燥にかかるコストを低減しているとした。利用をためらう農家もいたため、同シリーズを使った栽培試験の結果を伝えたり、実際に育てた作物を見てもらったりすることで、導入が進んだとした。
日本有機資源協会の柚山義人専務は、家畜排せつ物や果樹の剪定(せんてい)枝など、身近にはさまざまなバイオマス(生物由来資源)原料があると指摘。こうした未利用資源の活用には、「供給者と取引先で相互に利益がある関係性を作ることが大事」と語った。下水汚泥の肥料利用の推進へ、成分情報の開示に加え、「安心を与えられる丁寧な説明が必要」とした。