牛ランピースキン病 福岡で21日からワクチン接種
同県内では6日に同病が国内で初めて確認され、11日までに8農場で確認されていた。ワクチンは発症を抑制するもので、国が備蓄しているものを使う。接種にかかる農家の金銭的負担はない。
乳牛はワクチン接種後も生乳を出荷できる。接種から20日以内の肉牛は出荷できない。県は接種の判断について「農家の要望があった。牛の販売価格への影響も懸念された」(畜産課)とする。
発生農場はいずれも糸島市にあり、半径20キロ以内には同市や福岡市、那珂川市の一部が入る。県の家畜防疫員が接種する。
同省によると、米国はワクチンを接種した牛の肉は輸入しない方針を示している。オーストラリアも同病発生を受け、日本からの牛肉輸入を停止した。
同病は致死率は低いが、発熱や乳量の減少などを引き起こす。感染牛の移動や吸血昆虫の媒介などで広がる。感染牛は陰性が確認されるまで、他の牛からの隔離や、牛や生乳などの出荷自粛が求められる。9日には熊本県の1農場でも発生を確認している。