戦後初めて震度7を記録した同震災以降、最大震度7を観測した五つの大地震の死者に占める関連死を各種統計から集計した。
16日現在、阪神・淡路は、死者6434人のうち1割強の914人。中越は死者68人の8割弱の52人で、熊本も死者276人の8割を占める221人となっている。能登は、昨年11月に熊本を抜き、死者462人の半数超の235人となり、現在も増加している。

11年3月の東日本大震災も死者1万5900人(うち津波の溺死者1万4310人)の2割強に当たる3802人。一方、18年9月の北海道胆振東部地震は死者44人のうち3人と1割未満だった。
関連死の割合が大きい地震ほど、高齢化の進展が著しい中山間地域や農村部が被災地となっており、関連死も75歳以上の後期高齢者が9割前後を占める。
内閣府によると、災害に伴う環境の変化による心労や病状の悪化、車中泊に伴うエコノミー症候群や栄養障害などが原因で亡くなる被災者が後を絶たない。同府は「政府全体で避難所の生活環境の改善に取り組んできた」とする一方、「改善は市町村の責任で行う」とも定めている。
関西大学社会安全研究センター長の河田惠昭・特別任命教授は「関連死問題は、過疎化で1人暮らしの高齢者が増えていることに原因の根本がある。東京一極集中といういびつな人口構造を変える国作りが、防災・減災に直結する」と指摘する。
災害関連死 自然災害による直接死ではなく、避難途中や避難後の死亡を指す。認定に統一基準はなく、市町村設置の審査会が因果関係を調査。認定されれば災害弔慰金の支給対象となる。