退職自衛官の就農促進 首相 農大校授業料の減免検討
自衛隊は若年定年制や任期制といった任用制度を採用しており、自衛官の大半が50代半ばか20~30代半ばで退職する。そのため、再就職による生活基盤の安定が重要となる。
一方、担い手不足が深刻化する農業界では、こうした元自衛官の再就職先に選んでもらおうと、就農体験やセミナーなどを開く事例が広がる。政府も退職予定の自衛官向けの説明会やインターンシップなどに取り組む。
同日の衆院予算委員会で日本維新の会の池畑浩太朗氏は、元自衛官の就農者増加に向けた対策として、農業大学校での受け入れを後押しする仕組みを求めた。
首相は「自衛官と農林水産業はものすごく親和性が高い」との認識を強調。「農業大学校で授業料の減免などができるかどうかは考えていかねばならない課題だ」と表明した。今後、具体策について「政府内で検討させてもらう。いろんなやり方があろうかと思う」とも述べた。
農業大学校は全国に41校ある。授業料は各道府県の条例で定めている。農水省によると退職自衛官を対象にした授業料減免措置は「全国に例がない」(就農・女性課)。農業大学校での研修支援は、同省の就農準備資金などがある。
同省は「任期満了などで早期に退官した自衛官の再就職先に農林水産業を加えてもらうべく、施策を検討したい」(同)としている。