農水省は2月中旬、米の流通不足を解消するため、備蓄米を21万トン放出することを決めた。備蓄米は、JA全農など集荷業者に入札方式で販売し、市場に流通させる。第1弾の入札は10~12日に開き、15万トンを販売する。
本紙はこの15万トンについて、3日に公表された「入札公告」を基に、産地や品種を分析した。公告では、放出する備蓄米を保管業者や保管場所に応じて500弱に区分した上で、それぞれの産地や品種などを紹介している。
第1弾の入札で販売される備蓄米を産地別に見ると、新潟(3万1761トン)、山形(2万4867トン)、青森(2万957トン)の順に多かった。北海道や東北、北陸が上位を占めた。産地の数は24道県に上った。
産地品種銘柄別では、山形産「はえぬき」が2万4849トンで最多だった。次いで新潟産「こしいぶき」(2万2810トン)、青森産「まっしぐら」(2万957トン)、宮城産「ひとめぼれ」(1万3226トン)、秋田産「あきたこまち」(1万127トン)が続いた。品種数は41あった。
第1弾の入札では、2024年産米を10万トン、23年産米を5万トン販売する。24年産米は青森産「まっしぐら」(2万957トン)、23年産米は山形産「はえぬき」(1万6195トン)が最も多かった。
同省は「(放出する備蓄米の産地や品種は)一定量を確保でき、保管場所が分散されている銘柄を選んだ」(貿易業務課)とする。備蓄米は、早ければ3月下旬に店頭に並ぶ。
(北坂公紀)
