24年の対米輸出額の上位品目は、日本酒を含むアルコール飲料(265億円)がトップだ。水産品のブリ(229億円)、ホタテ貝(191億円)と続き、抹茶人気を背景に4位には緑茶(161億円)が入っている。
緑茶について、米国は基本的に関税をかけていない。相互関税が発動されれば、新たに24%が課されることになる。米国市場での競合相手は主に中国産。ただ、中国側には日本より高い34%の追加関税が発表されており、影響は未知数だ。
牛肉(135億円)は米国向けで、1キロ当たり4・4セントの低関税枠(6万5005トン)があるが、25年の枠はすでに埋まっている。枠外税率は26・4%で、相互関税の24%を単純に足し合わせると、50%超の関税がかかることになる。
米は、近年対米輸出額を伸ばしてきた。22年は11・7億円、23年は17・7億円。24年は25・3億円に増加した。米国内での和食人気の高まりが背景だ。米の関税は現在、1キロ当たり1・4セント(2・1円)がかけられており、関税率とは単位が異なる。こうした関税が相互関税でどう変化するのかは、不透明だ。
日本政府は30年までの輸出額目標として、「5兆円」と掲げている。最大の輸出先である米国の相互関税が発動、長期化すれば、輸出額全体にも影響する。輸出先の多角化なども迫られることになる。
(佐野太一)
