現在食肉業界で流通している牛肉の部位数は50近くあります。基本的には筋肉ごとに分けたものです。牛はそもそも個体差がとても大きいのですが、では同じ牛をそんなに細かく分けて、各部位ごとに差があるかというと、実はあるのです。赤身か脂身か、スジが多いか少ないか、しもふり具合はどうか、きめが細かいか粗いか、硬いか軟らかいか、実に千差万別で、それぞれに独特の味わいがあります。
例えば「みすじ」は「かた」部位の一部ですが、背中に近い部分はしもふりで軟らかく、ステーキとして食べると絶品です。また、「かいのみ」は「ばら」部位の一部ですが、適度にしもふりの赤身で脂っぽさがなく、焼肉として食べるとちょうどよい噛み応えと深い味わいがあります。
お肉屋さんや焼肉屋さんは、どの部位をどのように切って、その部位に一番ふさわしい料理として提供できるかを、日々研究しながら加工・販売し、調理・提供しています。皆さんもたまには、今まで食べたことがない部位を試してみてください。きっと新しい発見があることでしょう。

