すき焼きやしゃぶしゃぶは(お肉を使った)代表的な「日本食」です。日本ではおなじみの ‘焼肉’はしばしば‘Barbecue(BBQ)’と訳されますが、欧米のBBQはお肉のスタイルが全く異なるものです。日本のスーパーや焼肉店で出会う‘厚さ5ミリ程度で一口サイズの焼肉’は日本食であると感じ、いつか‘YAKINIKU’という言葉が世界中で認知されることを期待さえしています。
お肉を加工するために‘片刃の包丁’を扱う姿は、中華・洋食中心の海外の方には大変めずらしく映るようです。また、小間切れや切り落としを加工するための原料処理技術・スライサー技術は世界中で類を見ず、私たちの生活は「日本職」で成り立っています。
肉牛が辿るストーリーのゴール『いただきます』には、ぴったりに当てはまる英語は存在しません。食卓に並んだ料理は‘生き物の命’から成るもので、それに感謝の言葉を発する習慣は世界に誇るべき「日本色」です。
いつかの帰り道、飛行機の窓から雲の上に富士山が迎えてくれたことがあります。自分が「Nihon-shoku」に支えられていることを誇りに、また次の機会を楽しみにしています。

教務部専任講師 田中智洋)