日本の和牛は産地での肥育から加工場まで、こだわりのある方法で生産されていて、繊細で風味豊かな和牛肉が消費者に届けられています。和牛肉は様々な部位が使い分けられており、多彩なレシピが創出されています。カットの厚さでは、薄切りの1.2ミリから厚切りの2センチまで多様性に富み、それに合わせた調理方法として、しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼肉、ステーキ、煮込みなど、カットの厚さと調理法の最適な組み合わせにより、想像を超える味が口の中に広がっていきます。
海外でも日本産和牛肉の「テクスチャー」「味」「香り(特に和牛香)」が大きな魅力として評価されています。その一方で、肉食の歴史の長いヨーロッパなど一部の国では、霜降りより赤身の牛肉が好まれています。では、「霜降り」の和牛肉はどのように楽しまれているのでしょうか?
「赤身至上主義の国」と称さるフランスでは、日本産和牛肉に期待しているのは「霜降り」と「赤身」のバランスが良い牛肉です。同じ赤身嗜好(しこう)のアメリカでは、ロイン系部位以外に、モモ肉の可能性が探られており、その中にアジア圏特有の薄切りメニューも花開いています。そして昨年、日本産和牛肉輸出先のトップとなった香港では、焼肉からステーキまで、霜降りから赤身までを堪能できる贅沢(ぜいたく)コースが人気です。

食肉販売科第33期卒業
JA全農ミートフーズ株式会社
本社輸入事業室・呉佳美)