牧場の継承についてはまだ道半ば。直営店TOMMY BEEFを起点として、継承への道のりを歩んでいます。これからの農業が進むであろう未来を考えたとき、これまでの畜産業が歩んできた歴史を顧みたとき、自社での販売能力の向上が不可欠だと考えています。
牧場は生きた牛を肥育します。しかし、その目的は食料としての牛肉です。私自身が牧場継承をするべく必要だと感じたことは、牛肉という素材を知る事でした。素材を知り、肉質に合う調理法や加工について日々研究をしております。
現在の研究テーマは味付肉「ビーフマリネ」です。いわゆる焼肉のタレに漬け込む定番の味付ではなく、酒や酢とスパイスを合わせて漬け込む手法です。科学的にたんぱく質を柔らかくするための手法でもあり、風味と食感を向上させることができます。
今後どのような牛肉が求められていくのか、牧場と食卓に必要とされる牛と牛肉のことを、まな板の上から私は考えます。 “Farm To Table” 私たちの手で育て、ナイフを入れ、手渡す。この先50年、時代に求められる牧場であり続けたいと考えています。

総合養成科第50期卒業
有限会社佐賀セントラル牧場代表・
吉原龍樹(TOMMY BEEF 店主))