皆さんは普段スーパーや精肉店でお肉を購入することが多いのではないでしょうか。私たちの作る生協の宅配商品は、1パックの製品重量を全て同じにしなければなりません。例えば切り身肉などは、カットした1枚当たりの重量をそろえる必要があります。
私が現在抱えている課題は、従業員の高齢化や、技術を必要とする仕事の継承の難しさです。熟練者の高齢化にともない退職者する方も多く、彼らが何台ものスライサーを使ってカットしていたその作業は、新しく入社した社員が容易にできる作業ではないのです。
そのため3Dの機能を搭載した定貫スライサーや、肉を投入するだけでスライスと折り込みまでできる機械など、半自動化された機械を導入し対応しています。しかし、商品を作る上で全ての作業を機械化できるわけではありません。当然お肉の種類やカットする方向、整形や残骨ポイントなど、ある程度の知識を持っていないと仕事になりません。私は以前、全国食肉学校でお肉の知識や加工技術を学びました。その経験を活かして、社内で定期的にお肉の勉強会を実施しています。こうした取り組みで、品質向上や社員の意欲向上につなげていきたいです。
一方でAIには肉屋の仕事はできない、という意見もあります。しかし、私達のような工場では、人材不足や経験値を気にすることなく仕事ができる、AIを搭載した機械の進歩に期待しています。
公益社団法人全国食肉学校食肉販売科第29期卒業
(株)コープミート千葉商品開発グループリーダー
石川佳奈