今日はこのうち第2の段階、つまり「枝肉」から「部分肉」を作る仕事について説明します。牛の場合、生体が800キロとして枝肉は約500キロになります。ここから骨を抜いて脂肪を整形すると約360キロになります。部分肉製造の現場では、プロの方たちがものすごいスピードと正確さで骨を抜いていきます。何年もの実務経験を積んで骨の形を熟知した人でないとこの仕事はできません。牛や豚は生き物ですから、1頭ごとに形や大きさが違うため、この仕事を機械に置き換えることはなかなかできないのです。
さて、プロが抜いた骨と素人が抜いた骨ではその違いは一目瞭然です。プロが抜いた骨は白い色をしていますが、素人のものは赤いです。つまり、熟練していないと本来部分肉になるべきお肉が骨に残ったままという、大変もったいないことになってしまうのです。牛や豚からいのちをいただく以上は、1グラムとも無駄にするわけにはいきません。現場のプロの方たちは、日々研鑽を積みながらお肉を食卓に届けるために奮闘しています。
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第23期卒業
専務理事学校長
小原和仁