7月上旬にアルゼンチン共和国の農業、漁業、畜産分野におけるトップである、バイオエコノミー長官(大臣級)のフェルナンド・ビレラ氏とそのご一行が来日されました。私は同国のエドゥアルド・テンポーネ駐日大使より、7月5日に行われた同国大使館での会談及びレセプションにご招待いただいたので、喜んで参加してまいりました。
会談では同国から食肉や穀物、そしてエビなどの水産物を輸入している商社の担当者などが出席して、活発な意見交換が行われました。同国は世界有数の農業国でありながら、我が国への農畜水産物の輸出は限定的であるのが現状ですが、その潜在力から双方とも今後の取引拡大に大いに期待していることがわかりました。
独立行政法人農畜産業振興機構の2018年11月のレポート「アルゼンチンの牛肉生産・輸出事情~パタゴニア地域を中心に~」によると、同国では牛肉は「アサード」と呼ばれる炭火焼きで食されるのが一般的で、その味は和牛とは異なり赤身中心で、歯ごたえはありつつも、非常にジューシーであり、そのため同国はEUなどから「世界で最も牛肉がおいしい国」と評価されているそうです。
アルゼンチン大使公邸で炭火焼きしているアサード
アルゼンチンワインを飲みながらのレセプションの席で、私はビレラ氏にアサードを食べてみたいという話をしたところ、「どうぞこちらへ」と案内された広々としたバルコニーに、なんと炭火で焼いている最中のアサードがあるではありませんか。リブアイとストリップロインをブロックのままじっくり焼いたものを、厚切りに切ってもらって食べたところ、本当にジューシーで味わいのある牛肉でした。塊のまま焼いてから切って食べるところに美味しさの秘訣があるのだと感じました。