Bradさんは牛豚のと畜、カット、精肉加工、販売までを教えていて、Shelleyさんはハム・ソーセージ・ベーコン製造を教えています。何でもカナダの地方にある小さい町のお肉屋さんは、牛豚の生体をと畜し、食肉に加工して販売しているということで、と畜から教える必要があるのだそうです。また、宗教上の理由などから豚肉を食べない人もいるため、牛肉を原料にしたハムやベーコンも一定の需要があるそうです。
お二人は本校学生の牛精肉実習を食い入るように見ていました。時々質問を受けて応えることはありましたが、田中講師が今何をしようとしていて、学生に何を話しているのかが、通訳しなくてもわかるのは不思議でした。もちろんお二人は日本語を理解できませんが、お肉という共通の言語があるので、言葉がなくても状況が分かるのだと改めて気づかされました。また、学生たちも積極的に英語で話しかけたので、お二人ともとても喜んでくれて、良い交流ができました。
世界中の食肉学校を訪問したことがあるBradさんが言うには、世界の食肉学校の数は意外と少なく、その中でも本校のように枝肉から部分肉、精肉、ハム・ソーセージ・ベーコン、調理まで教えている学校は珍しいということでした。カナダと日本の食肉処理の仕方は、共通の部分がある一方で異なる部分も多いので、今後両校の講師と学生の交流を図りたいとの提案をいただきました。大変光栄なことで、ぜひ進めていきたいと思います。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁