今日は下の表で輸入牛肉の中身をみてみましょう。財務省の「貿易統計」によると、令和5年度、輸入量のうち40%が冷蔵で60%が冷凍です。国別にみるとオーストラリアが44%で、アメリカが38%とこの2国で80%以上を占めています。
さらに品名別にみてみましょう。関税分類という大雑把な分類ですが、特徴的なことがわかります。表の青い部分をご覧ください。冷凍の大部分は「ばら」と「その他」で占められています。輸入全体のうち、ショートプレート等に代表される冷凍の「ばら」は27%、うちアメリカ産が17%です。また、カウミート(経産牛)等に代表される冷凍の「その他」は24%、うちオーストラリア産が20%です。実に輸入全体の半分以上がこの2つの品名で占められているのです。
では、この2つは何に使われているのでしょうか。様々な用途がありますが、ショートプレート等に代表される「ばら」は牛丼用が多く、カウミート等に代表される「その他」はハンバーガー用として多く使われています。皆さんもきっと、外出した際のお昼の食事でお世話になっているのではないでしょうか。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁