10月1日から東京、名古屋、京都で「校外実習」が始まって約3週間経ち、そろそろ研修の現場にも慣れてきた頃を見計らって、学生たちを激励に行ってきました。校内での勉強では学べないこと、それはたくさんのお肉に触れること、プロの技を学ぶこと、作業スピード、仕事の段取り、接客、そして代金をいただくことなどです。笑顔で接客し、生き生きと研修に励む学生を見て、3か月後の成長した姿が見えるような気がしました。
数年前、北海道の産地食肉センターで働く学生が都内の高級スーパーで研修をしていたときのことです。ちょうどその時に北海道フェアーが開催され、その学生が勤務する工場から牛肉が納品されてきたそうです。普段自分が製造している牛肉を精肉として商品化し、自ら接客してお客様に買っていただいた時の喜びは何物にも代えがたい体験だったと語ってくれました。
産地食肉センターの現場で働く社員は、自分たちがと畜、カットしたお肉が、どのような人たちの手を経て販売され、どのような人が買ってくれるのかを知る機会はほとんどありません。自分たちの仕事の意味を確認できるこの貴重な機会を、これからも大切にしていきたいと思います。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁