[論説]JA全国大会決議実践 情報発信を強化しよう
決議では食料・農業、くらし・地域活性化、組織基盤強化、経営基盤強化、広報の五つの戦略を提起している。いずれもJAが今後も地域に欠かせない組織としてあり続けるために重要だ。どの戦略を実践するにも、協同組合であるJAは、組合員が実践に参画することが欠かせない。組合員が自らJAやJAの活動について理解し、役職員と共に活動していくことが求められる。
そうした視点から、組織基盤強化戦略に着目したい。23年のJA組合員数(見通し)は1009万人で、3年で22万人減少。正組合員の多くが65歳以上であり、准組合員でも約半数を占める。組合員の高齢化が進んでいる。次世代の組合員とのつながりの確保・強化は急務だ。
そのため、各地で農業振興の応援団として准組合員を増やし、JA運営への参画を促す取り組みが進んでいる。千葉県のJAいちかわは都市化が進む中で、農業振興のための応援団として准組合員を位置付け、22年からの3年間で5000人増を目指す拡大運動を推進。24年9月末に7790人増と目標を前倒しで達成した。准組合員向け広報誌を発行し、職員が直接配布。広報委員会の委員にも准組合員を起用することで、JA運営に参画しようという意欲を高めている。
JAの意義を広くアピールする広報戦略も欠かせない。食と農、地域を支えるJAの存在意義を組合員以外の国民各層に広く発信することが不可欠だ。そのためにもJAへの関心を高め、新たな応援団になってもらう働きかけを進めていこう。
JA新潟かがやきは、組合員・地域住民との接点強化に向け、トップ広報を戦略の柱とし、役員自らJAの取り組みを発信することで、組合員やメディアなどとの対話を深めた。この他、交流サイト(SNS)や内部通信員の設置による管内情報の収集なども推進。いずれも、22年の合併前から検討を行った広報戦略を基に進めている。
JAが情報を発信することは、JAに対する正しい国民理解を醸成することにつながる。次の全国大会までの3年間、JAが食と農を支える役割を発揮し続けるためには、組合員や地域とつながりが鍵となる。役職員一体となり、誰にどんな情報を発信するのかを考えていこう。