2025年2月21日 [四季]地元に仕事がないから、都会に出た若者が戻ってこない | 主張 | 四季 | 国際女性デー X Facebook Line Mail 地元に仕事がないから、都会に出た若者が戻ってこない──。地方へ行くと、そんな話をよく聞く▼地方出身の東大生・川崎莉音さんも「東大出は地方で求められていないし、仕事もない」と言われたことがある。でも仕事のあるなしより、「女性が地方に戻らないのは、多様な生き方が許されないから」と思う。例えば、女性が入る企業は限定されている、人のうわさ話がすぐ伝わる、いまだ男女共用のトイレがある…。だから地方にある生きづらさの解消を真剣に考えるべき、と▼地方の過疎化、東京一極集中が止まらない。政府は若者、女性に選ばれる地方づくりへ「地方創生2・0」の中で、性別に関する無意識の思い込みの解消に取り組むと明記した▼女性の地方移住推進では、子育て制度や住宅補助など、目に見える支援に注目しがちだが、意識の変革も大切になる。鳥取県は「男女協働未来創造本部」を来年度創設する。働きづらさの根源にあるアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)の解消へ、草の根的な対話を通じて県民運動を展開するという▼性差の役割分担に違和感はないか、窮屈に思うことはないか──。暮らしたくなる地域づくりは、まず思い込みに気付くことから。 日本農業新聞の購読はこちら>>