2025年5月1日 [四季]きょうは立春から88日目の「八十八夜」 | 主張 | 四季 | 主要記事 X Facebook Line Mail きょうは立春から88日目の「八十八夜」。この日に摘んだ新茶は上等なものとされ、お茶を飲むと長生きするという▼新茶や新米、「新」が付くと価値は上がる。家や車も新しい方が値段が高い。デジタル化の時代、情報もどんどん更新される。でも、ちょっと待って。新しければ新しいほどいいのか。年月をかけて熟成されたワインやみそには、新物にない深い味わいがあるはず▼発酵のまち秋田県横手市には、2年熟成させた「ディフェンシン」というみそがある。肺炎などに対する抗菌活性があり、特許を取得した。みそ汁にしたら味がまろやかでほんのり甘い。「日々の気温を見ながら、赤ちゃんを育てるように大事に造っているんです」と新山食品加工場代表の新山肇さん。みそ造り100年の重みを感じた▼お米はどうか。今後放出される備蓄米は、2022年産が中心となるが「適切に管理された米を、古米や古古米と呼ぶのをやめんとあかん」とJA兵庫中央会の福本博之会長。その言葉に触発されJA全農兵庫の前副本部長、小林圭介さんは「時間がたつことでうま味は凝縮される。ビンテージ米と呼ぼう」と提唱する▼呼び方一つで古いイメージが“刷新”する。年を重ねるのも悪くない。 日本農業新聞の購読はこちら>>