
ふき替える古民家は、17年に同地で新規就農した山田晃太郎さん(36)が農作業の拠点にしようと譲り受けた物件だ。

今回作業したのは屋根の南面。足場は、「ながら」と呼ばれる稲のはざ掛けに使う細長い杉の丸太を、地元住民から借りて組んだ。
屋根にふく材料のカヤは、2トントラック10台分。県内を中心に19年から採取した。
参加者は職人の手ほどきで、葉や枝などを取り除き、束ねて切る「茅ごしらえ」を体験。その後、屋根の傷んだ部分を取り除き、新たなカヤを差して補修する「差し茅」などの作業にも挑戦した。
同協会のイベントに4回参加した香川大学4年生の津村祥平さん(23)は「最初は全く選択肢になかったけど、職人っていう生き方もありかも」と目を輝かせていた。
同地のかやぶき建築は装飾性が高く「筑波流」と呼ばれ、高い技術で知られる。しかし、高齢化や担い手不足が響き、07年に74棟あったかやぶきの家は、年々その姿を消している。
作業を見守っていた山田さんは「かやぶき屋根はたくさんの人の手で守られていると実感した」と話す。(釜江紗英、福本卓郎)
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