[あんぐる]完熟ころころどっさり 「日本一の梅産地」(和歌山県みなべ町)
県中央部のみなべ町は、収穫量が全国の2割を占める大産地。主力品種の「南高」は、同町の農家・故高田貞楠氏が1902年、実が多く香りの良い梅の木を見つけたのが起源だ。当時の上南部農協が5年間かけた調査で、この梅が最優良品種と結論付け、現在も不動の地位を築いている。品種名は調査に関わった県立南部高校に由来する。
完熟した梅は柔らかな食感の梅干しになる。そのため、農家は園地にネットを敷き、熟れて自然に落ちた実を網ですくい収穫する。作業は、中腰で長時間歩き回る重労働だ。
同町で「南高」を7ヘクタール栽培する中早大輔さん(40)は「梅拾いはスポーツだと思って楽しくやるのがモットー。落ちた梅が1カ所にまとまるようにネットを張るのにも技術がいる」と話す。
地元のJA紀州は、販売力強化に向け、同町の梅加工施設を2021年に増改築した。異物混入を防ぐ検査機などを導入し、衛生管理を徹底。製造ラインも増やし、同年度に457トンだった梅干しや漬物などの加工品の製造量は本年度、600トンを目指す。JA加工直販課の久保田博之課長は「需要期に応えられる製造能力と高い品質でブランド力を高め、組合員の所得増大につなげたい」と力を込める。(木村泰之) 動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
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